PACC策定の経緯
2018年12月10日に「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(以下、基本法)が成立し、同年12月14日に公布されました。本法には循環器病に対する総合的な施策が記載されており、救急救命士及び救急隊員についても、循環器病の病態理解や研修機会の確保の必要性が明記されています。そこで、2020年に日本臨床救急医学会の中で構想された新しい試みとして、救急隊員のための病院前における循環器救急疾患の観察と処置の標準化(Pre-hospital Acute Cardiac Care以下、PACC)コースを検討するための循環器救急疾患の病院前救護検討小委員会が設立され、石原嗣郎先生(埼玉医科大学総合医療センター 心臓内科)を委員長として、循環器病患者の予後改善を図るためのトレーニングコースの開発が検討されることとなりました。本委員会には日本循環器学会も参画し、コースデザインやガイドブック作成なども行なっています。