PACCとは?


病院前救護(プレホスピタルケア)の対象となる傷病者の状態には、大別して3種類、心停止、外傷(外因)によるもの、疾病(内因)によるものがあります。3つの状態にはそれぞれ対応する標準化教育が存在し、BLS(Basic Life Support)JPTEC(Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care)、そしてPEMEC(Prehospital Medical Evaluation and Care)として知られています。PEMECは呼吸困難、胸痛、動悸、腹痛、めまいなどの内因性疾患全般の症候に対する初期対応の標準化を目指したコースであり、総務省消防庁が作成した「緊急度判定プロトコル」との整合性が図られており、さらに救急救命士による特定行為(輸液プロトコル及びブドウ糖投与プロトコル)の適応判断や、意識障害及び脳卒中に対応するPCEC(Prehospital Coma Evaluation and Care)や、PSLS(Prehospital Stroke Life Support)アルゴリズムへの移行も可能となるよう工夫されています。このように、プレホスピタルにおける内因性の活動はPEMECを軸としてそれぞれ整合性が図られています。

PACCは、「胸痛」「呼吸困難」「動悸」「背部痛」「失神」などを認める傷病者に対して適応することができるアルゴリズムで、循環器を想起させる症候においてより専門性の高い内容として12誘導心電図の判読、循環器に特化した観察や処置について標準化された内容を学べるコースで、PEMECとも整合性を図り作成されています。


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