PPSTとは?
PPSTとは、Prehospital PEEC Skill Trainingの略で、病院前救護職員(救急隊員・救急救命士・消防隊員ほか)を対象とした、シミュレーションを通してPEECスキルを学ぶコースです。
平成29年5月27日、東京ビッグサイトで開催された第20回日本臨床救急医学会に併せて公開コースが行われ、以後、全国展開を開始しています。TALKセッション、言葉による静穏化セッション、情報収集・伝達セッション、ロールプレイセッションの4つで構成しています。
これまで、救急隊員の受講に限らず、救急外来で勤務する看護師や医師、保健師、薬剤師など、幅広く受講されています。
*PEECコースとは、PPSTコース同様、日本臨床救急医学会が監修して作成されたコースで、日本精神科救急学会、日本総合病院精神医学会が共同開発にあたっています。平成25年7月、第16回日本臨床救急医学会に併せて公開コースが開催され、現在は全国各地で開催されています。
病院前での精神科救急の現状
救急隊員の約7割が精神科救急事案に苦慮(2012年5月調査時)。精神科系疾患既往者の救急要請は約10%(平成25年南熊本救急隊)にのぼります。救急隊が持つ苦手意識として、以下が挙げられます。
- 正しい接し方や対応の仕方が解らない
- 重症度や緊急度の評価が難しい
- 現場滞在時間が長くなる
- 医療機関選定が困難
コースを構成する4つのセッション
TALKセッション
自傷・自殺未遂の患者さんに望ましい対応。TALKの原則について、救急隊と患者とのデモ動画を流し、改善点を受講者の小グループで考える。自殺について真剣に向き合うことで、再企図防止につながることを学ぶ。Tell:誠実な態度で話しかける/Ask:自殺についてはっきりと尋ねる/Listen:相手の訴えに傾聴する/Keep safe:安全を確保する
言葉による静穏化(VD)セッション
不穏、興奮、幻覚妄想状態の患者さんに望ましい対応。TALKセッションと同じく、救急隊と患者のデモ動画を流して改善点を受講者の小グループで考える。救急現場では、鎮痛剤の使用や拘束はできないため、患者さんの興奮を言葉、姿勢や態度で沈めるスキル「3STEPアプローチ」と、落ち着いて話ができる環境をつくる重要性を学ぶ。
情報収集・伝達(ICC)セッション
精神面と身体面の両者を有する患者の病院選定は苦慮しやすいため、病院選定の際に有効なスキル(直列型)と病院への伝達方法を学ぶ。精神面での重症度・緊急度を評価するため、何を情報収集すればいいのか、医療機関へ伝えることは何かを一つの事例を通して学ぶ。
ロールプレイセッション
TALK、言葉による静穏化、情報収集・伝達セッションで学んだことをシミュレーションで身につける。(1)統合失調症患者の対応 (2)自殺企図の患者対応 (3)アルコール依存症患者の対応の3つの症例の救急隊長役を受講者に行ってもらい、現場で即実践できるスキルを学ぶ。
