WHAT YOU LEARN
このコースで学べること
意識障害を有する傷病者への病院前救護の標準化を学びます。
01内因性ロード&ゴーの判断基準と、それに基づく病院前での必要な処置
02ハイリスク意識障害の判断と、緊急安静搬送(Hurry, but gently!)の考え方
03意識障害の原因と病態(一次性脳障害・二次性脳障害)の理解
04PCEC・PSLSアルゴリズムに基づく状況評価から車内活動までの一連の観察・処置の流れ
コースについて
PCECコースとは、日本臨床救急医学会ホームページに掲載されているPCECの骨子とPCECコースガイドブックの内容に準じて開かれるコースまたは勉強会等を称し、PSLS同様、地域の特殊性を考慮したコースが開催されることを前提にしています。したがって、コースガイドブックに掲載されているコースデザインや配布される教材は一例であり、地域の事情にあった柔軟な運営と開催が推奨されています。
PCECの理解に重要な用語(骨子PDFより)
(1) 内因性ロード&ゴー
呼吸(A・B)の異常、循環(C)の異常で生命に危険が迫っている緊急度の高い病態では内因性ロード&ゴーを宣言する。また、呼吸、循環が安定していても脳ヘルニア徴候(Dの異常)が疑われた場合には内因性ロード&ゴーを宣言する。内因性ロード&ゴーを宣言したら必要な処置を行い、初期評価を中断して適切な医療機関への搬送を行う。
(2) 緊急安静搬送(Hurry, but gently!)
内因性ロード&ゴーには該当しないが、くも膜下出血や大動脈解離など搬送中にバイタルサインの異常や脳ヘルニアなどの急変が生じやすい病態では、愛護的な搬送に心がけ、急変にも対応できるように心がける。
(3) ハイリスク意識障害
通報内容や状況評価から呼吸・循環の異常をはじめ重症を疑わせる病態に関する用語であり、内因性ロード&ゴーや緊急安静搬送(Hurry, but gently!)を念頭に病院前活動に臨む。
内因性ロード&ゴーの判断基準と処置(骨子PDFより)
判断基準
Aの異常
- 気道閉塞、または高度狭窄を伴う
- JCS三桁で気道確保が困難である
Bの異常:呼吸様式、または呼吸数の異常を伴う
- 呼吸様式の異常(チェーン・ストークス呼吸、中枢性過換気、クスマウル呼吸など)
- 呼吸数が10回/分未満、または30回/分以上
Cの異常:皮膚冷汗、湿潤、頻脈を伴う、または脈拍を触知しない
Dの異常:脳ヘルニア徴候をみとめる
- JCS300で両側瞳孔散大、JCS200で異常肢位(除脳肢位、除皮質肢位)
- JCS二桁、または三桁で瞳孔異常を伴う
- GCS8以下で瞳孔異常を伴う
必要な処置
- 気道確保
- 補助呼吸
- 口腔内異物・分泌物吸引
- 酸素投与
- 側臥位、または回復体位
- 保温(ときに冷却)
コース開催報告について
本学会では、PCECの普及度を把握するため、各地のPCECコース開催について主催者からのご報告をお待ちしています。ご報告いただいたコースは「PCECコース開催の記録」ページに掲載されます。コース報告書フォーマットに記入のうえ、学会事務所宛にFAXでお送りください。
コース報告書フォーマット(PDF)
修了証発行に際し代表理事名の使用を許可する条件
PCECコースの修了証発行に際し代表理事名の使用を許可する条件として、当該コースに以下のいずれかの医師が関与している場合のみ認めるものとされています(平成21年3月16日追記)。
- 日本臨床救急医学会評議員
- 日本救急医学会評議員
- 日本救急医学会認定専門医
STEP1
骨子・ガイドブックの入手
PCEC骨子(PDF)を公式サイトからダウンロードするか、「PCECコースガイドブック」(平成20年10月出版)を入手します。
STEP2
開催コースへの参加
PCECは地域の主催者(消防機関・医療機関・地域MC等)が独自に企画・開催するコースです。開催情報は所属の消防本部・地域メディカルコントロール協議会等を通じてご確認ください。
STEP3
コースの受講
骨子・ガイドブックの内容に準じた講義・実技を受講します。地域の事情に応じてコースデザインや教材は柔軟に運営されます。
STEP4
(主催者による)開催報告
コースを開催した主催者は、コース報告書フォーマットに記入のうえ学会事務所へFAXで報告することで、開催実績が「PCECコース開催の記録」ページに掲載されます。
本学会では、PCECの普及度を把握するため、各地の主催者からの開催報告を掲載しています。
病院前救護体制のあり方に対する検討会報告書(旧厚生省、平成12年)で、救急現場から医療機関へ搬送されるまでの医行為の質を保証するためのメディカルコントロール体制の必要性が指摘され、救急業務高度化推進委員会報告書(総務省消防庁、平成13年)を経て、平成14年に総務省消防庁・厚生労働省が「メディカルコントロール協議会の設置促進について」を通知しました(現在、全国に約250のメディカルコントロール協議会が設置)。
こうした状況の下、医師だけでなく救急救命士を含む救急隊員、看護師やその他のコメディカルが会員の主体となっている日本臨床救急医学会は、意識障害を有する傷病者の病院前救護の標準化をはかるべく神経救急病院前救護・初期診療ガイドライン検討委員会を設け、その中にプレホスピタルに関する小委員会(意識障害に関する病院前救護の標準化委員会)を設置し、判断・対応・処置の標準化を検討してきました。その過程で平成18年に日本救急医学会・日本神経救急学会とともに3学会合同の脳卒中病院前救護(PSLS)委員会が設置され、平成19年12月にPSLSコースガイドブックが出版されました。さらに平成20年10月、当初の目的であった意識障害を有する傷病者に対する病院前救護(PCEC)コースガイドブックが出版されました。
PCECの目的は意識障害を有する傷病者の「防ぎ得た死亡と後遺症」を最小限にすることにあります。平成21年1月18日、その目的をより明確にするため学会ホームページ上にPCECの考え方の骨子が公表されました。