
循環器救急疾患の病院前救護 Prehospital Acute Cardiac Care
胸痛・呼吸困難・動悸・背部痛・失神などの循環器を想起させる症候に対し、12誘導心電図の判読を含む専門性の高い観察・処置を標準アルゴリズムに基づいて学ぶ
- 主対象職種
- 救急救命士・救急隊員
- 副対象職種
- 医師・看護師・消防職員・海上保安官・救急隊に準じた活動を行う業務従事者
MEDIA
コースの様子
WHAT YOU LEARN
このコースで学べること
循環器を想起させる症候に対する専門性の高い観察・処置を学びます。
12誘導心電図の判読
循環器を想起させる症候(胸痛・呼吸困難・動悸・背部痛・失神等)に対する専門性の高い観察・処置
PEMECアルゴリズムとの整合性を意識した病院前対応
循環器病患者の予後改善を意識した標準化トレーニング
コースについて
「胸痛」「呼吸困難」「動悸」「背部痛」「失神」などを認める傷病者に対して適応することができるアルゴリズムで、循環器を想起させる症候においてより専門性の高い内容として12誘導心電図の判読、循環器に特化した観察や処置について標準化された内容を学べるコースです。PEMECとも整合性を図り作成されています。
PACCとは?(位置づけ)
病院前救護(プレホスピタルケア)の対象となる傷病者の状態には、大別して3種類、(1)心停止、(2)外傷(外因)によるもの、(3)疾病(内因)によるものがあります。3つの状態にはそれぞれ対応する標準化教育が存在し、BLS(Basic Life Support)、JPTEC(Japan Prehospital Trauma Evaluation andCare)、そしてPEMEC(Prehospital Medical Evaluation and Care)として知られています。PEMECは呼吸困難、胸痛、動悸、腹痛、めまいなどの内因性疾患全般の症候に対する初期対応の標準化を目指したコースであり、総務省消防庁が作成した「緊急度判定プロトコル」との整合性が図られており、さらに救急救命士による特定行為(輸液プロトコル及びブドウ糖投与プロトコル)の適応判断や、意識障害及び脳卒中に対応するPCEC(Prehospital Coma Evaluation and Care)や、PSLS(Prehospital Stroke Life Support)アルゴリズムへの移行も可能となるよう工夫されています。このように、プレホスピタルにおける内因性の活動はPEMECを軸としてそれぞれ整合性が図られています。
PACCは、循環器を想起させる症候においてより専門性の高い内容として12誘導心電図の判読、循環器に特化した観察や処置について標準化された内容を学べるコースで、PEMECとも整合性を図り作成されています。
PACC策定の経緯
2018年12月10日に「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(以下、基本法)が成立し、同年12月14日に公布されました。本法には循環器病に対する総合的な施策が記載されており、救急救命士及び救急隊員についても、循環器病の病態理解や研修機会の確保の必要性が明記されています。そこで、2020年に日本臨床救急医学会の中で構想された新しい試みとして、救急隊員のための病院前における循環器救急疾患の観察と処置の標準化(Pre-hospital Acute Cardiac Care 以下、PACC)コースを検討するための循環器救急疾患の病院前救護検討小委員会が設立され、石原嗣郎先生(埼玉医科大学総合医療センター 心臓内科)を委員長として、循環器病患者の予後改善を図るためのトレーニングコースの開発が検討されることとなりました。本委員会には日本循環器学会も参画し、コースデザインやガイドブック作成なども行なっています。
HOW TO JOIN
受講の流れ
開催情報の確認
JSEMサイトのPACC開催スケジュールページで、受講希望エリアの開催日程を確認します。
受講資格の確認
受講者は医師・看護師・救急救命士・消防職員・海上保安官・救急隊に準じた活動を行う業務に従事する者、またはそれらの養成校の最終学年生であることが条件です。PACCコースは救急救命士が受講することを前提としていますが、内因性疾患の病態理解を深める場として広く医療従事者が受講できます。日本臨床救急医学会の会員であることが推奨されますが、必須ではありません。また、PEMECアルゴリズムをもとにコースが進むため、PEMECコースの受講が推奨されます(必須ではありません)。
事前資料の熟読・プレテストの実施
PACCコース受講確定時に送付される事前資料を熟読してください。特に12誘導心電図の判読はコース当日も学習しますが、事前学習しておく方がより深い理解につながりますので、プレテストを繰り返し実施し当日までに判読スキルの向上に努めてください。
申込フォームで申し込み
各開催の受講者応募用フォームから申し込みます。応募者多数の場合は選考あり(近隣優先等)。
受講・修了証の取得
コース修了後に修了証が発行されます(日本臨床救急医学会 代表理事名)。
EVENT
開催情報
VOICE
受講者の声
救急救命士 20年目
「まず午前中の講義は非常に勉強になりました。PACCコースが生まれた背景をはじめ、観察についての講義は非常に有意義であり、時間的に制限のある救急の現場活動時間において、各ステップ毎に場面を分けて何を考えるべきか頭の中を整理することで適切な救急活動につながると感じました。」
出典:受講者アンケートより
救急隊員 10年目
「他のコースとは少し違い、午前中に講義で心電図や観察について具体的に教えてくれるところがよかった。」
出典:受講者アンケートより
PACC検討小委員会
- 委員長
石原 嗣郎
- 委員
髙松 純平、安心院 康彦、福岡 範恭、藤本 賢司、北﨑 礼繁、大谷 浩史、久野 将宗、當別當 洋平
インストラクター制度
役職名 | 要件 | 認定手続き | 有効期間・更新 |
|---|---|---|---|
プロバイダー | PACCコースを受講した者 | 不要 | なし |
タスク | 救急医療活動・シミュレーション教育に関わった経験のある者(学生可) | 不要 | - |
インストラクターキャンディデイト | PACCプロバイダー受講後2年以内かつコース指導を希望していること | 不要 | 初回受講から2年間(当面の間) |
インストラクター | キャンディデイトとしてコース指導経験があること/インストラクター申請・認定済みであること | キャンディデイトとして指導 → マスターインストラクター承認+CMD確認 → 学会事務局へWeb申請(認定証発行なし・名簿登録のみ) | 認定日から2年後の年度末まで。更新:有効期間内に1回以上の指導 |
マスターインストラクター | コースで指導的立場にあるインストラクター | マスターインストラクター以上2名(うち1名はCMD)の推薦 → PACC委員会に推薦書とともに申請 → 委員会の審議・過半数の承認で認定(認定証はPDFで発行) | 認定日から2年後の年度末まで。更新:有効期間内に2回以上の指導 |
インストラクターキャンディデイトの期限:2024年10月1日より2年間に延長。2023年9月以降受講者も申請なしで1年延長を認めます。
CMD制度(コースメディカルディレクター)
資格条件は次の(1)(2)いずれかを満たすこと。
- オブザーバーでPACCコースに参加し、コースCMDより推薦を受け、e-learningを受講したうえで、次のいずれかを満たすこと。
- 循環器専門医または救急科専門医であること
- PACC検討小委員会委員の医師であること
- CMDからの推薦があり委員会で承認されたもの
- マスターインストラクターであり、かつ上記と同様の医師要件を満たすこと。
CMD資格の有効期間は認定日から2年後の年度末までで、期間中2回以上の講義実績(モニター・12誘導心電図・身体所見のいずれか)が更新条件です。